黒留袖・色留袖・振袖・訪問着から小紋・卒業袴・浴衣まで!着物を着る時の草履選びのポイントをご紹介!

着物を着る機会は普段の生活の中であまりありませんが、結婚式や卒業式など特別な日には着物を着ていく方がたくさんいらっしゃいます。
着物に合わせる小物を探したりコーディネートを決めたりする段階で、
「草履って、どれをえらべばいいんだろう?」「ルールとかあるのかな…」
と不安になったことがある方もいるかもしれませんし、逆に「草履ってどれでも一緒でしょう、どれでもいいでしょう?」と思う方もいるかもしれません。
実は、お洒落な人ほどこだわるのが足元=草履。
そして、草履と一口に言ってもどれも同じではなく、合わせる着物や着ていく場所によってルールが存在します。
今回は着物の種類に合わせて草履の選び方を解説していきます。
草履の基本的な知識 【着物に合った草履の選び方】
草履は台と鼻緒という2つの部分から成っています。

台の色や高さ(芯の数)、鼻緒のデザインによって、着物に合う・合わないが決まってきます。
それぞれ条件を合わせていくと、たくさん販売されている草履の中からあなたの着物にピッタリな一足に出会えますよ。
黒留袖・色留袖に合う草履 【着物に合った草履の選び方】
結婚式で新郎新婦のお母さまや近しいご親類がお召しになることが多い「黒留袖」と「色留袖」。既婚女性が着る着物でも格の高い=フォーマルなお着物です。
留袖に合わせる草履はこんなものが良いでしょう。


- 台がゴールド・シルバー・ホワイトのもの
- 台の高さが5cm以上のもの
- 芯の数が複数枚(かかと部分のみ複数枚でも◎)
- 鼻緒もゴールド・シルバー・ホワイトを基調としたもの。(少し他の色が使われていてもOK)
といった、礼装用の草履がぴったりです。
材質はエナメルやマットな合皮、錦風の生地などがあります。色が金~銀~白系であればフォーマルにお使いいただけるようなつくりになっているので、材質は好みで選べば大丈夫です。
ゴールド~シルバー~ホワイト の中でもどれを選んだらいいのか、迷う方もいらっしゃるかもしれません。
金は華やか、銀はキリっと粋に、白はすっきり洗練された印象になりますので、ここも”なりたい印象”で選べればOKですが、それでも迷ってしまうときは「ゴールドの帯を締めるから、草履も金色系!」といったように帯の色に合わせて選ぶのも統一感のあるコーディネートになるので、ヒントにしてみてくださいね♪

訪問着・付け下げに合う草履【着物に合った草履の選び方】
訪問着や付け下げは文様や柄行きなどによって重厚感のある印象のお着物からすっきりとつつましやかな印象のお着物までさまざまあります。
そして、着ていくシーンも”お呼ばれ”から”付き添い”、”自身が主役”の機会までこれまた様々でしょう。
訪問着や付け下げに合わせる草履は「どんなシーンで」「どんな立場で」訪問着を着るのかによって変わってきます。
ぜひ足元までトータルに考えられたコーディネートを目指していただきたいものです。
例えば、結婚式に親類や友人として出席するときの訪問着にはこんな草履がおすすめです。

結婚式がチャペルや神社で行われる挙式もあるような場合は特に、フォーマルな装いとして訪問着を着用します。そんなときに合わせたい草履は前述でお話しした留袖に合わせるような「金-銀-白」の礼装用の草履がぴったりです。
訪問着は着物も色使いが華やかですので、「金-銀-白」の草履台に鼻緒や前坪に少し色が使われているものもコーディネートにおすすめです。
特に若い世代の方が訪問着を着られる場合は、こんな草履で華やかさをプラスするのも良いでしょう。

同じ「訪問着」を着る機会であっても、お子様が主役の機会「お宮参り」「七五三」「入学式」「卒業式」である場合は、淡い色のエナメル系やレザー系の草履で上品なつつましやかさを演出するのもおしゃれ上級な訪問着コーデになります。
このような機会は「金-銀-白」の礼装用草履でもNGではありませんが、華やかさで装う機会とは違う「セミフォーマル」な訪問着のコーディネートもぜひ楽しんんでいただきたいです。

それともまた違い、ご自身が主役のパーティ(開店祝いや周年祭など)で訪問着を着るのであれば、華やかさを目いっぱいにしたコーディネートも素敵です。
ハイヒール草履ですらっと気高さ感じる着姿と足元の華やぎを楽しんでみてはいかがでしょうか。

色無地・江戸小紋に合う草履【着物に合った草履の選び方】
色無地や江戸小紋といった着物も、帯や小物の合わせ方を着るシチュエーションによって変えることで幅広いシーンで着用できます。
草履もシーンに合わせて選ぶと、コーディネート全体がぐっと場に馴染んできます。
参考にすると良いのが「どんな帯を締めるシーンか」。
帯こそ、着るシチュエーションに合わせてセレクトするものですが、草履はそんな帯に合わせて「礼装用」「セミフォーマル用」「カジュアル用」から選べばしっくりきますよ。
例えばこんなコーディネート。

こんなホワイトゴールドの袋帯を締めるような機会ですと、結婚パーティーなどのフォーマルなシーンでしょう。であれば、草履も金-銀-白系の「礼装用」の草履を選ばれると良いでしょう。
草履台・鼻緒が同じ色の草履のですと、色無地のすっきりした印象にもよく合うでしょう。
>>色無地にも合わせられる礼装用草履・草履バッグセットを見る
カジュアルなコーディネートだとこんなかんじ。

黒地に唐草文様の名古屋帯を締めています。お茶席やお稽古事、観劇・鑑賞などに着ていただける、しっとりきれいめなカジュアルコーディネートです。
草履は、帯に青みピンクの柄が入っているので同じような色の台の草履をセレクトしました。鼻緒は博多織の紺色。ブルーの色無地とのバランスもとれています。
カジュアルなコーディネートであれば、草履も色や鼻緒の柄にもこだわっておしゃれを楽しみたいですね。
フォーマルな草履では台の色と鼻緒の色が同じトーンのものが好まれましたが、普段用 カジュアルな草履であれば台と鼻緒の色が異なっているものでコーディネートをもっと楽しめます。
歩きやすさを考えると台の高さはあまり高くないもののほうがラクでしょう。
色無地や江戸小紋で履くカジュアル用の草履は、あくまで好みにはなりますが、色無地・江戸小紋のお淑やかな雰囲気を残したほうがコーディネートのバランスがとれます。華美なデザインやポップなデザインよりも、上品さや洗練された雰囲気のあるものを選ぶと良いでしょう。

成人式の振袖に合う草履【着物に合った草履の選び方】
ご自身が主役となり、一生に一度のはたちの晴れ姿を飾る振袖。
振袖は未婚女性の第一礼装でもありますし、華やかで絢爛な衣裳である振袖に合わせるのであれば、草履もやはり華やぎがあるものや4‐5cm以上高さのあるものがおすすめです。

メーカーも、振袖姿を足元まで楽しんで欲しいとの思いから、「振袖用草履」もさまざまなデザインを展開しています。
エナメルやラメのレザー系の材質できりっとした印象のもの、刺繍が施された華やかなもの、色使いや鼻緒のデザインがポップなものなどさまざまです。
コーディネートの一例を紹介しましょう。

草履はシルバーでシンプルに見えますが、しっかりとした厚底で存在感を放っています。帯締めのシルバーと色を合わせてあるので統一感も取れていますね。

きものに使われている色をうまく使えば、こんなカラフルな草履もコーディネートできます。
草履の芯が一枚ずつ色が違うといった華やかな草履は、振袖ならでは楽しめる逸品ですね。
さまざまなデザインがある振袖。自分の振袖に合わせた草履を選ぶのは楽しく、そして大変かもしれません。 草履とバッグのセットでの解説にはなりますが、振袖に合わせた草履を選ぶのに参考になりそうな過去の記事もぜひご参考にしていただければと思います。
卒業式の袴に合わせる草履【着物に合った草履の選び方】
卒業袴というと、”二尺袖”という着物(袖の縦の長さが普段着と振袖の中間ぐらいの長さ)に袴を合わせる場合と、振袖に袴を合わせる場合があります。
どちらの場合も、前述の振袖に合わせるような草履(=振袖用草履)をお選びいただくのが良いでしょう。

台の高さがあって、華やかな鼻緒の草履は、袴にもぴったりです。
草履の話からは少し逸れますが、卒業袴の足元はブーツもすっかり定番化しています。

はいからな印象を楽しめます。 卒業式というと、写真撮影をしたり謝恩会があったりと移動や立ち姿勢も多いもの。草履が履き慣れないと感じる方や、春の雨時期での式がある方には、袴にブーツを合わせるのも賢い選択かもしれませんね。
普段着のきものに合わせる草履【着物に合った草履の選び方】
礼装用のときのようなルールを気にすることもなく、自由な着こなしを楽しめる「普段着きもの」の機会。
ぜひ足元の草履もコーディネートで大いにこだわっていただきたいものです。

様々な色柄の草履がありますね。

着物や帯、帯締めや帯揚げといった小物から草履の色を選ぶと統一感が出ておしゃれになります。

帯留や帯の小さなワンポイントに使われていた赤を、草履で思い切って使うのもいい差し色になりました。こういった色使いは目を惹きますね。
また、「浴衣のための履き物」と思われる下駄も、実は普段着のきものに足袋を合わせて履いていただけます。

下駄は軽やかな印象のコーディネートになります。草履ともまた違う、こなれた雰囲気が出ますね。
好きにお洒落を楽しんでいただける普段きもの用の草履ですが、お出かけしているとたくさん歩いたり電車やバスなどに乗ったり、階段の上り下りをすることも多いでしょう。
普段着きものに合わせる草履ほど、履き心地やぴったりのサイズにこだわって選ばれるとよいでしょう。
浴衣には草履?下駄? 【着物に合った草履の選び方】
浴衣には素足に下駄を合わせて、思いっきり軽やかに、涼しく装います。

下駄は、草履と違い台が木でできており、台の形が裏に「土踏まず」のような空洞ができているものを言います。(木でできていて、草履のように「土踏まず」のような空洞が無い”下駄草履”と呼ばれるものもあります。)
下駄も、右近下駄や角下駄、のめり下駄などさまざまな形の下駄がありますが、夏の浴衣にはそのどれでも合わせていただけます。 形が違うと履いた時のコーディネート全体の印象も大きく変わりますので、ぜひ楽しんで選んでみてくださいね。

きものやシチュエーションに合わせて草履を選ぶのは楽しい!
今回はフォーマルな着物から浴衣まで様々なシチュエーションでの草履・履物選びの方法をご紹介しました。 着物や帯の形はシチュエーションによって変わり、それに合わせた草履選びもとても大切です。
草履の色はもちろんのこと、台の高さなども今回ご紹介したことを参考にして選んでみてくださいね。
草履選びに迷うことや不安なことがあれば、なんでもキステにお尋ねくださいね♪




